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空冷&水冷エンジンの違いと、冷却水路やラジエターについて解説

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空冷&水冷エンジンの違い

空冷エンジンと水冷エンジン、それぞれの長所と短所をご存じでしょうか?

ここではその違いや特徴について解説してみようと思います。

空冷エンジン

現在市販されているほとんどのクルマは、 空冷ではなくエンジンを水で冷やす水冷式です。 大きく重くなってしまう冷却装置や水を持って走るというのは一見不合理に思えますが、 それなりのメリットがあるからこそ、どのク ルマもこの方式を採用してるんですね。

空冷式の場合、構造は非常に簡単です。 極端な話、なにもしなくても空気に触れてさえいれば熱は空気中に拡散し、ある程度の冷却は可能。才ートバイのエンジンなどはこの典型で、エンジンの表面積を増やすためのフィンが付いているだけなんです。

しかし、温度が上昇した場合、それを下げるためのコ ントロールが難しく、風の当たり具合いでエ ンジン表面の温度にむらが出てきます。これは強制空冷と呼ばれる、ファンで風を送る方式でも同じです。

金属というのは温度が上がると膨張します。しかも、温度にむらがあると 各部位で膨張の度合が異なるから、エンジンにとってよいことはなく、設計どおりの性能が推持できなくなるばかりか、自己破壊を起こす可能性さえ出てきてしまいます。むろん、実際に壊れてしまうエンジンはないとおもいますが、高出力、高性能のエンジンをベストコンデションに保つには、それなりの気使いが大切です。

ちなみに、「ポルシェ911」という高性能スポーツカーは、1997年まで空冷式のエンジンを使っていました。 しかし、これは例外中の例外というべきで、 基本設計から20年以上かかって熟成されたこのエンジンに対するノウハウや、1台1台手作りに近い状態で作られる精度の高さなどがあるから実現できた高性能空冷エンジンだったんです。しかも空冷とはいいながら、13ぶものエンジンオイルをうまく循環させて、それによる冷却の効果も計算に入れているんです。 いわば、空冷エンジンの限界がここにあると考えてもいいでしょう。

 

水冷エンジン

水冷エンジンの場合、まずその構造が複雑になります。エンジンを水の通る何かで囲まなければならず、しかも、ただ囲んだだけでは水が沸騰してしまうから、常に新しい水を流し込んで沸騰する前に取り換えてやる装置が必要になるんです。クルマの場合、いちいち水を取り換えることはでないので循環させるわけですが、どこかで水を冷やしてやらないと水温はどんどん上昇することになります。

しかし、これらの条件を満たした冷却装置を作ると、エンジンの調子を保つことが容易になり、多くのメリットも生まれます。それが現在の水冷エンジンです。

まず水の沸点は100 °c、多少圧力を加えても数10°Cの違いなので、エンジンの温度を一定に保つことができ、エンジン環境が常に変化しなくなります。しかも空冷式と違い、周りを温度変化の少ない水で取り囲むのでむらもない。燃焼の温度や熱による金属の膨張など、あらかじめごく狭い範囲で設定できるので、より精度の高いエンジンを作れるというわけです。

また、エンジン性能とは直接関係はしませんが、エンジンからの騒音を周りの水が防いでくれるという利点もあります。

ただ水冷エンジンというのは、水という非常に安定した(持に温度の面で)環境を作り得る物1の中でのみ動作することを前提としたエンジンであるため、その保護がなくなると、一発で自己破壊を起こすものでもあります。

 

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冷却水路の構造

冷却水路

エンジンを始動した直後、つ まり冷却水がまだ暖まらないうちはラジエターターは通らずにエンジン内部でのみ循環が行われます。

エンジンというのはやたらに熱くなっても困りますが、冷たくてもよろしくありません。内部で燃焼が行われるのですから、ある程度の保温(というより保熱)は必要です。そこでサーモス タットで冷却水路を切り換えるしくみを使うんですね。

サーモスタットは電気コタツのスイッチのON /OFFに使われているもの(しくみは違うが)と同じ役割りを持ち、水温が低い場合は水路を閉鎖してエンジン内部のみの冷却水循環を行うようにし、水温が上がるとラジェータまで含んだ循環を行う水路を開くようになって います。

ラジェータは細い水路の間を空気が通り抜ける構造になっており、走行中の風やファン で起こした風で、細い水路を通る水の温度を 一気に下げるから、その結果、ある程度温度 の下がった水を、ウォーターポンプに供給できるわけです。

 

ラジェータキャップ

ラジェータ上部のラジェータキヤップは、 ラジェータの内圧に押し上げられて開く弁Aと、逆にラジェータの内圧が下がったときに 開く弁Bの2つを持っています。

水は温度が高くなるど膨脹し、最後は沸騰して気体となります。しかし冷却水路内の水は密閉され ているので膨脹できず、その結果圧力が上昇する仕組みです。

水は圧力が上がると沸点は高くなるので、100°Cでは沸騰しませんが、どんどん圧力が上がるとラジェータホースなどが破れる危険があります。そんなとき、ラジェータキヤップ の弁Aが内圧に押されて開き、才ーバーフロ ーパイプを通って、水(湯というべきだが)は リザーバータンクへ流れる。逆に、水が冷えて体積が減ると、ラジェータ内圧が下がり弁Bが開きます。これでリザーバータンクからの水がラジェータに流れ込むことになるのです。

リザーパ—タンクの水量が多すぎても少なすぎてもいけないのは、この温度変化による水の体積の変化を見越しているためです。

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